うぉっしゅ

浅田飴
日本在宅介護協会
 
 
ものがたり
ソープ店で働く主人公・加那。ある日、母から電話が。
「一週間だけ、おばあちゃん の介護してくれない?」
仕事のことを隠していた加那は、
ソープ嬢ということを秘密に、翌日から祖母宅⇔ソープ店を行き来して、
“人の身体”を洗い続ける二重生活〈ダブルワーク〉をすることに。
認知症が進み、名前すら覚えていない祖母・紀江の介護に奮闘する加那。
会うたびに“初対面”を繰り返してゆく毎日。
「どうせ忘れる」相手に対し加那は、祖母との暮らしの中で、
本当の事を素直に打ち明けられている自分に気付く。
そして祖母の知らなかった、これまでの人生と孤独が垣間見えてきて…。
 
かいせつ
ソープ嬢・加那役を演じるのは映画『窓辺にて』や、
ドラマ「エルピス-希望、あるいは災い- 」に出演し、
映画界に新たな風を吹き込む注目株俳優・中尾有伽。
そして認知症の祖母・紀江役には9年ぶりの映画主演となる研ナオコが出演。
そして今作、監督を務めたのは、永六輔の孫であり、
監督デビュー作『安楽死のススメ』が現在公開中の、岡﨑育之介。
本作『うぉっしゅ』で2024年大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門への入選を果たした岡﨑は、
自身もウェス・アンダーソン監督『犬ヶ島』への出演など俳優としての経験も持つ。
 
出演
加那の祖母。認知症が進み、
加那の名前も覚えていない。
1953年生まれ、静岡県伊豆市出身。1971年に「大都会のやさぐれ女」で歌手デビューを果たし、1975年には「愚図」でFNS音楽祭・最優秀歌謡音楽賞を受賞した。更に、1978年に発表した「かもめはかもめ」では、日本歌謡大賞放送音楽賞、日本レコード大賞金賞などを受賞。その後も、「夏をあきらめて」「泣かせて」「夏ざかりほの字組」など数々の大ヒット曲を世に送り出した。歌手活動以外にも、数多くのCMやバラエティ番組に出演するなど、テレビタレントとして幅広い分野で活躍、SNSでも話題になり幅広い世代からも支持されている。2020年3月には、自身のYouTubeチャンネル「研ナオコNaokoKen」を開設し、すっぴんからのメイク動画が話題になる。2025年はデビュー55周年となり、思い入れの深い曲を新たに収録した記念アルバム『今日からあなたと… Starting today, with you』を発売。梅沢富美男&研ナオコ「アッ!とおどろく夢芝居」公演で全国ツアー中。
COMMENT
今回、岡﨑監督からオファーをいただいて、
監督の経験と人柄を知り、お話を聞いていくうちに
「私に対して妥協するなら出ません」と言う答えになりました。
久しぶりに心に通じる何かを感じたからです。
私はいつもと変わらず一緒なんですけどね。
完成した作品を初めてスクリーンで観た時は
撮影現場での事をいろいろ思いだしました。
現場ではお互い納得のいくところまで話し合い、撮影に挑みました。
勿論現場の雰囲気作りも大事ですからね。
観ていただいた方に何か一つでも
心に引っかかるものがあったら嬉しいです。
紀江の孫。
昼は介護、夜はソープ店でWワークをすることに。
1996年生まれ、東京都出身。フリーで俳優・モデルとして活動する傍ら、GOMESS・Cody Lee(李)へコーラスとして参加するなど活動の幅を広げている。主演を務めた『うぉっしゅ』(岡﨑育之介監督)が第19回大阪アジアン映画祭(2024)のインディ・フォーラム部門へ入選。同部門へ、『オン・ア・ボート』(ヘソ監督)も入選した。今年、出演映画3作品が公開を控えている。近年の主な作品に、MOOSICLAB2018で長編部門準グランプリに輝き、全州国際映画祭(韓国)のワールドシネマスケープ部門に出品となった主演作、『暁闇』(阿部はりか監督)や、第35回東京国際映画祭(2022)でワールド・プレミア上映となった『窓辺にて』(今泉力哉監督)などがある。また映画のほか、舞台活動も精力的に行っている。
COMMENT
出来上がった映画を初めて観たとき
「クレヨンしんちゃん」みたいだなと思いました。
主人公に自分を重ねてもいいし、
友情、恋愛、家族の視点もあって、幅広く届くものになっている。
皆さんそれぞれの心には、どんなポイントが刺さるのか、
私も楽しみにしています。
加那の母
1962年生まれ、東京都出身。俳優、声優として活躍中。近年の映画出演作には、『茶飲友達』(外山文治監督)、『記憶の居所』(常間地裕監督)、『とりつくしま』(東かほり監督)等がある。また、出演作『はらむひとびと』(中嶋駿介監督)が7月に新宿武蔵野館での公開を控えている。
ソープ店同僚・久美(26)/西堀文(26)
加那が働くソープ店の同僚
1999年生まれ、神奈川県出身。近年、俳優・モデルとして活動の場を広げ、更にTikTokが同年代の共感を呼び好評を博す。最近の主な出演作品に、TBS「THE TIME,」レポーターレギュラー、テレビ朝日「健査官」レギュラー、BS日テレ「旅人検視官 道場修作」指宿編、朗読劇「星の王子さま」などがある。
COMMENT
「文らしくそのまま居ればいい。」と監督はよく言ってくださいます。
常にその人の良い所を伸ばそうとしてくれる岡﨑監督。
人との間に上下をつけず誰の話にも耳を傾けて
平等に優しさを配れるそんな方です。
今作はそんな岡﨑監督の優しい考え方が溢れ出ていて、
見終わった後にふわっと包まれるような感覚になれると思います。
今作が色々な方に届き記憶に残り続ける作品になるように祈ります。
すみれ(31)/中川ゆかり(40)
加那が働くソープ店の同僚
1984年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学第一文学部卒業。映画美学校アクターズ・コース第1期高等科修了。2015年、鈴木卓爾監督の『ジョギング渡り鳥』で主演を務める。『ある惑星の散文』(深田隆之監督)、『、に満たない。から』(中田森也監督)、『アイツ等の食卓ヲ、銀河は待っている』 (鈴木順也監督)などインディペンデント映画を中心に活動。俳優活動の他、都立高校での演劇講師や、海外映画・ドラマの日本語吹替版の制作進行・演出も行う。
COMMENT
ロングラインチームの加那(中尾さん)、久美(西堀さん)との撮影はいつも和やかで、
あの二人だから気を許せたんだろうなとすみれの気持ちを実感しながらの撮影でした。
性や介護は、生身の人間同士の関係性が濃縮された時間で、
逃げられないし大変だし疲れるものではないかと思います。
そんな差し迫った生の真っただ中で生きる彼らの日々にも
朗らかさや純粋さを見出す岡﨑監督。
その大らかな視線をぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
柿谷(33)/嶋佐和也(ニューヨーク)(38)
加那が働くソープ店のボーイ
1986年生まれ、山梨県出身。2010年1月、屋敷裕政とともにお笑いコンビ・ニューヨークを結成。コンビとして、2019-2020年 M-1グランプリ 決勝進出、2020-2021年 キングオブコント 決勝進出(2020年準優勝)。テレビ・ラジオ・劇場等への出演だけでなく、毎年単独ライブにも力を入れており、2024年単独ライブ「そろそろ、」では延べ1万人以上を動員した。
COMMENT
これまでドラマや映画に一瞬だけ何度か出させていただいた事があるのですが、
今回1番いい演技が出来たと思っています。
今回も割と短めの出演だったので割と短めの演技となりますが
是非ご覧いただきたいと思います。
今思い返しても、自分自身、自然な演技が出来たと思っています。
そして間違いなく他の演者さんもいい演技をしているかと思います。
祖母・紀江宅の隣人
1970年生まれ、神奈川県出身。1989年から「無名塾」に入塾し、1998年まで在籍。2012年、『わが母の記』のオーディションを受け、役所広司演じる主人公の妻・伊上美津役に抜擢され42歳で映画初出演を果たす。以降、原田眞人監督、更には井筒和幸監督、武正晴監督、深田晃司監督、吉田大八監督、李相日監督と多くの作品を一緒にしている。2023年には、映像制作ユニット「こねこフィルム」に参加。ショートドラマ「年齢確認VSプライド」がSNSで大評判となり、「年齢確認」シリーズは配信開始から半年でトータル2億回超の再生回数を記録した。
加那宅の家政婦
30代まで、主宰する劇団で主演・準主演を務め、その後フリーに転身。これまで30本以上の舞台公演に出演し、現在は主な活動の場を映像に移行。主な出演作には、大河ドラマ「どうする家康」、NHK連続テレビ小説「エール」、映画『万引き家族』(是枝裕和監督)、大河ドラマ「いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~」、ドラマ「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」等がある。
 
スタッフ
岡﨑育之介
1993年生まれ、東京都出身。16歳から芝居の勉強を始め、18歳で俳優としてデビュー。映画/ドラマ作品やウェス・アンダーソン監督『犬ヶ島』への出演など。その後バックパッカーによる世界一周、国立劇場養成所での研修生としての修行、ニューヨークアクターズスタジオでの演技訓練を経験。演出助手や脚本学校での学びを経て脚本家・演出家・監督を志し、25歳より作品制作活動を始める。今後、初監督⻑編デビュー作品、映画『安楽死のススメ』が、2025年3月ユーロスペースにて公開予定となる。
COMMENT
新しい芸能界を作りたいと思っています。
日本の作品は暗すぎる。
みんなそんなものばかり見たいのか?
もうそんな時代じゃなくていい。
だから、僕が時代を始めます。
後に語られる“明るかった時代、令和”を、この映画『うぉっしゅ』から始めます。
ジメッとしたテーマこそ「明るくポップなエンタメ作品」に。
研ナオコさんのキャラクターさながら映像も音楽もカラフルで、
肩に力を入れず笑って泣いて、楽しく観られないと意味がない。
そして映画館の帰り道に、ちょっぴり難しいことも考えてみる。
「洗うこと・忘れられること」ソープ嬢が認知症のおばあちゃんの介護をする。
血の繋がった2人が“初対面”を繰り返す家族の物語。
大切な人は、いつまであなたを覚えていられるでしょうか。
永太一郎
1995年生まれ、東京都出身。作曲家/ドラマー。ニューイングランド音楽院・現代即興学部を卒業し、映画劇伴音楽を手掛ける。岡﨑育之介監督作品『安楽死のススメ』音楽担当。